腰の症状・疾患について
腰の症状・疾患について
スポーツにおける腰部の傷害は、衝突や転倒などによる外傷は多くありませんが、捻りや瞬発的な動作で、腰椎の捻挫や軽い肉離れなどが生じています。
スポーツでは腰への負担のかかる動作(ジャンプや捻り)が多く、その繰り返しによって椎間板や椎間関節などにストレスがかかり、「腰痛症」「腰椎椎間板ヘルニア」「腰椎分離症」といった障害が多く起こっています。また腰周囲筋の柔軟性低下や筋力不足なども腰痛を引き起こす原因としてあげられ、腰への負担を軽減するための腹筋や背筋の筋力強化はよく知られています。
まれに内科的な病気や、女性の場合は婦人科疾患からも腰痛を起こす事があるため、痛みが出てきたら一度病院で診察を受けると良いでしょう。

腰椎椎間板ヘルニア
椎間板は円板状で中心部をゼラチン状の髄核、その周囲を線維輪という組織により形成されていて、体重や運動時の腰へかかる衝撃を和らげるクッションの役割をしています。
特に腰を反らす姿勢の多いスポーツ等では椎間板に過度のストレスがかかり、中心の髄核部分が後方へ膨隆・脱出します。この状態を椎間板ヘルニアと言います。
ヘルニアは特に負担のかかる第4腰椎と第5腰椎、第5腰椎と仙椎の間の椎間板で多く起こり、腰痛以外に、神経を圧迫して下肢の筋力低下やしびれなどを引き起こすようになります。
症状の程度によっては手術を行う場合があることから、専門医の診断および検査を受けることが大切です。
出現頻度の高いスポーツ
ゴルフ・バレーボ-ル・ウエイトリフティングなど
症例
35歳男性会社員
月に数回ゴルフを行っている。先日のプレーの後、腰に痛みが出た。数日後、腰の痛みは和らいできたが、右のお尻から足にかけてしびれと痛みが出てきた。
腰椎分離症
小学校の高学年から高校生にかけての、まだ骨が比較的弱い成長過程の時期に、激しいスポーツをしていた人に多くみられる、一種の疲労骨折と考えられています。
腰椎分離症とは腰椎の骨の一部に損傷が生じ、上下の連絡が断たれた状態で、特に負担のかかりやすい第5腰椎あたりに発症しやすく、腰を反る姿勢では痛みが強くなります。痛みの原因は、分離した部分の異常な可動性による、周辺の神経への刺激や腹筋力の低下、背筋の柔軟性低下などが挙げられます。
しかし分離を起こしている人すべてに腰痛があるわけではなく、学童期に骨折と気付かず成人するものもあります。成長期に過度のスポーツを行っている場合は注意が必要です。単純X線で、はっきりしなくても骨シンチやCTで診断出来ること もあります。
兆候が見られたときは早めに専門医の診察を受けましょう。
出現頻度の高いスポーツ
サッカー・水泳・体操など
症例
17歳女子高校生(水泳部所属)
水泳を小学校の頃から続けている。専門はバタフライ。先週から腰に痛みが出現した。しばらく休んでいたら痛みが軽くなったため、練習を再開したらまた痛み出した。
骨盤裂離骨折
スポーツ活動が盛んな少年期(14~16歳頃の男性)に、発症することが多くダッシュやボールを蹴る動作などの急激な筋肉の牽引力に骨端線が耐えきれず破断します。その特徴さえつかんでいれば診断は難しくないのですが早期に正確な診断、治療がなされなかった例では骨折が治らず痛みが続くこともあります。
発生部位は上前腸骨棘、下前腸骨棘、坐骨結節、腸骨稜で 頻度は上前腸骨棘の裂離骨折がもっとも多く約50%、下前腸骨棘は約30%です。坐骨結節も10%以上あると考えられますが受傷直後は、レントゲン診断が難しく、肉離れと診断されることも多いので注意が必要です。
受傷直後の痛みは強いのですが、ほとんどのケースで入院やギプス固定をしなくても保存的に治療可能です。
出現頻度の高いスポーツ
陸上・サッカー・野球(ダッシュ時)など
症例
15歳男子高校生(陸上部所属)
スタートダッシュの練習中、足を振り上げたときに、股関節に激痛が走り動けなくなった。痛みのために股関節を伸ばせないので友人に抱きかかえられて整形外科を受診した。
