膝の症状・疾患について
膝の症状・疾患について
膝関節は前側に膝蓋骨があり、上に大腿骨、下に脛骨の三つの骨で関節を作っていて、その周囲を大腿の筋肉や靭帯、半月板、関節包などの軟部組織がバランスよく働くことで安定を保っています。しかし、元々上下2本の骨が平面で接する構造上、身体の中で最も負担のかかる関節で、スポーツ全般をみても膝はけがや故障発生が多い部位のひとつであり、手術を必要とするようなケースも少なくありません。
靭帯、半月板損傷といった外傷のほかに、「ジャンパー膝」「オスグッド病」「鵞足炎」といった使いすぎによる障害も数多く発生しています。
その他、大腿部の筋力低下や、筋肉の柔軟性低下、体重増加、アライメント(骨の形態)の異常などが原因としてあげられます。

前十字靭帯損傷
前十字靭帯は膝関節のほぼ中央にあって、大腿骨と脛骨をつなぎ、脛骨が前方にズレるのを防ぐ役割をしています。
急なストップ、方向転換などの動作などで損傷しやすく、断裂時にはガクッと膝が一瞬はずれたようになり、強い痛みのため運動不能となります。その後、徐々に腫れがひどくなり、膝のぐらつきが強くなります。
損傷した状態でのプレーは再度同様の動作で膝がガクッとなり、腫れを起こします。長期間このような状態が続くと、関節は緩み、軟骨にも傷がついて痛みにより日常生活にも支障をきたします。
受傷が疑われるときは専門医による診断が重要です。スポーツ選手の場合手術が必要になる事が多く、順調にいけば約1年後にはプレーに復帰できます。
出現頻度の高いスポーツ
体操・バスケットボ-ル・スキー・ラグビ-など
症例
17歳女子高校生(器械体操部所属)
体操競技で着地の際、膝がガクッとなり力が抜けて転倒した。数時間後には、腫れと痛みがひどくなり、膝が曲げられなくなった。
半月板損傷
半月板は膝関節内にある軟骨に似た組織で、内側と外側に1つずつあり、体重による負担をやわらげたり、膝の動きをスムーズにするクッションの役割があります。膝が曲がった状態での捻りや、さらにその状態から急に立ち上がるなどの動作で半月板は損傷を受けやすくなります。
「膝がひっかかる」「まっすぐにのびない」というような症状の時は、半月板損傷の可能性があります。半月板を損傷すると運動はもちろんのこと、日常の生活にも支障をきたし、階段昇降時や膝の屈伸時での痛み、ゴキッと音がしたり、腫れて水が溜まることもあります。
半月板損傷は、靭帯損傷と合併していることも多く、損傷の度合いによっては手術の必要な場合があるため早期に専門医の診断を受けましょう。
出現頻度の高いスポーツ
バスケットボ-ル・体操・サッカー・スキーなど
症例
18歳女子高校生(バスケットボール部所属)
バスケットの練習中、ターンをした際、膝がギクッとなった。翌日から、膝の痛みや引っ掛かりを感じ、膝の屈伸時に音がなるようになった。
膝蓋骨脱臼
膝蓋骨脱臼は、スポーツなどにより膝を曲げた状態で過度に力が加わった時などに起きやすく、膝蓋骨が外側に外れるものです。
膝蓋骨の形・位置の異常や、大腿骨の形の異常、または膝蓋骨をとめておく靭帯がゆるんでいるなど、いくつかの原因が考えられます。
比較的女性に多く、脱臼時には痛み、膝の曲げ伸ばし不能、腫れなどがみられます。また脱臼しても元に戻ることが多く、習慣性となりやすいのが特徴です。
膝蓋骨を安定させるため脱臼防止用のサポーターで固定をしたり、大腿四頭筋の筋力トレ-ニングを行います。その後も脱臼を繰り返したり、不安感が続く場合は手術をおこなう場合もあるため専門医に相談して下さい。
出現頻度の高いスポーツ
テニス・バスケットボ-ル・スキーなど
症例
30歳女性,主婦(ママさんバレー所属)
バレーボールでスパイクを打ち着地した際、膝がガクンとなり転倒した。膝を見るとお皿の部分が外側に外れる形で変形していた。伸ばしたらガンと音がして元の位置に戻った。
